菊池風磨のドラマ『バベル九朔』がおもしろい。彼だからこそ演じられた役
<ジャニヲタ歴20年?みきーるのJ-ウォッチ>
Sexy Zoneの菊池風磨さん(25)主演ドラマ『バベル九朔』(日テレ系)に見入っています。“大人のためのジュブナイルドラマ”ともいうべき本作で菊池さんが演じるのは、築88年の雑居ビル“バベル九朔”の管理人?九朔満大。
脚本家を夢見つつ、風変わりな住人たちに振り回される満大は、ある日ビルの物置小屋から“すべての夢が叶う偽りの世界?バベル”に入り込んでしまいます。
“夢をあきらめること”への耐えがたい魅力に取り憑かれた人々を、満大はどう救っていくのでしょうか?
全編、ビルの中でストーリーが展開してゆく本作は、コロナ禍の“おこもり生活”ともリンクします。
満大が管理人を務め、ビルの住人など限られた人たちとのみ交流できる“現実”。
そして、不思議な鍵で開く現実の並行世界“バベル”は、SNSを中心とした“ネット世界”になぞらえることができます。くしくも主題歌の「NOT FOUND」(Sexy Zone)は、ネット用語で“存在しないページ”を表し、「無いはずなのに、ある」バベルとも重なります。
ドラマでは、満大のみが“現実とバベル”を行き来できますが、私たちは誰もが“現実とネット世界”を行き来できるので、彼の悩みや葛藤を共有して観られるのです。
バベルは、すべての夢が叶う世界。ネットの世界も、こうありたいと思う姿を装ったり、ゲームのキャラになりきったり、理想のライフスタイルを演じることもできます。面と向かっては言えない相手に話しかけることだって、もちろん可能。
ネットは楽しいし便利だし、現実にしっかりと軸足を置いて付き合えればいいですが、依存しすぎると甘く居心地のいい罠に、とらわれてしまう危険もあります。
第2話では“亡くした娘と暮らす夢”にはまった住人を、満大が救い出しました。
それでも“心地よい異界”にいる人を、“閉塞感のある現実”に引き戻すのは、なかなか骨が折れた模様。

コロナ時代とリンクした世界観
すべての夢が叶う世界「バベル」
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