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酒グセの悪い私にコワイくらい刺さった…奇才が描くアル中闘病漫画『アル中ワンダーランド』

 アルコール依存症の実体験をコミカルに描き、累計7万部の大ヒットを記録したまんきつ(元まんしゅうきつこ)さんのデビュー作『アル中ワンダーランド』。断酒後のエピソードや、作家よしもとばなな氏との対談を収録した文庫版が発売となり、話題を呼んでいる。
まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫

まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫

 深刻なのに笑っちゃう。面白いのに身につまされる。奇才まんきつ氏が描く唯一無二のアル中闘病記だ。

お酒で奇行に走る作者の姿はつらいけど笑ってしまう

『湯遊ワンダーランド』『ハルモヤさん』など独特なテンポとシュールなテンションの作品で知られる漫画家?まんきつ氏。2012年に開設したブログ『まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど』がネット上で話題となり、一躍人気漫画家となった。  しかし、家事とブログ更新と漫画の仕事を抱え込んだ作者は、つらい時間を乗り切るためにお酒を利用するようになっていく。  酔って記憶をなくす、人に絡む、物をなくす、おっぱいを出す…。奇行に走る作者の姿は、まるで酔った時の自分を見ているようでつらく、居た堪(たま)れない。それでいて、予測不可能な動きやコマ割りの絶妙な間でつい笑ってしまう。
まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫より

まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫より

 やがて、水の代わりに飲酒するようになり、自殺願望を強くしていく作者。文庫版の表紙に使われた「私はお酒を飲まないと人と明るくしゃべれないの」と泣くシーンが、当時の私にグッと響いた。

酒癖の悪い私に刺さった「アルコール依存症は『否認』の病気」

 いきなりの自分語りで恐縮だが、私はかなり酒癖が悪く、「目が覚めたら巣鴨のラブホテルで1人(全裸)で寝ていた」「ハッと気づいたら歩道橋で知らないおじさんと●●していて、警察に取り囲まれていた」など、数々の失敗を繰り返しており、友人たちから「変死体として発見されていないのが奇跡」と言われている。  それでも心のどこかで「このくらいならまだ大丈夫」と思ってしまっているので、間違いなくアルコール依存症なのだろう。  家族に隠れて飲酒し、幻覚や幻聴が始まっていた作者も、病院でアルコール依存症と診断された時に「完全に誤診だな」と思ったそうだ。自分が依存症になっていることを認めなかったり、「それほど重症ではない」と言い張るのも、依存症の特徴だ。おまけ漫画内の「アルコール依存症は『否認』の病気」「あなたの10年後の姿です」という医者の言葉が、怖いぐらい刺さった。
まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫より

まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫より

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「ごめんなさい神様飲んでしまいました…」
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